3階建て限定の法規制に注意
家を建てる際は、「建築基準法」や「都市計画法」といった法律によって規制を受けることになります。
その規制は、建築する地域や、住宅の規模や仕様などによって、受ける内容が異なってきます。
法律による規制は、3階建てだけではなく、すべての建築物が対象ですが、その中には3階建てに限定されている項目もあるのをご存じでしょうか?
現在、日本の国土のほとんどには「用途地域」が定められています。
「この地域は○○のための地域とします」というように土地の「用途」すなわち「使い道」が定められているのです。
建築物は、この用途地域ごとによって定められている「建ぺい率」や「容積率」の範囲内でしか建てることができません。
その土地の建ぺい率や容積率によって、建築できる建物の概略はある程度決まってしまいます。
それに加えて、一部の地域では建物の高さについての規制もあり、3階建てが建てにくい地域があるので注意が必要です。
3階建てに対して特に規制が厳しいのは、「第一種低層住居専用地域」と、「第二種低層住居専用地域」です。これらはその名前からわかる通り、低層住宅専用の地域ですので、3階建てをはじめ中高層の建物に対する規制が厳しいのです。
「道路斜線」や「北側斜線」のような斜線制限は、住宅の形に大きな影響を与えます。
近隣の日照や通風を確保するために設けられているこれらの制限は、一定の条件で引いた斜線の範囲内に収まるように住宅を建てなければならなりません。
その影響は、単に外観だけでなく、間取りや部屋の大きさにも影響を与えるケースもあります。
「道路斜線制限」は、敷地が接している道路の反対側の境界線から敷地上空へ向かって、一定の勾配で引かれた斜線の内側に建物を建てなければならないという制限です。全ての用途地域に適用され、用途地域によって、また、前面道路の道幅によって制限が異なります。
ただし、道路斜線制限には、「天空率」で判断するという緩和措置があるので、場合によってはさほど影響を受けない場合もあります。
「北側斜線制限」は、北側に位置する隣地の住宅に日照を確保するための規制です。
地域によっては、北側斜線制限よりも厳しい高度地区の規制があり、その場合は、厳しいほうの規制が優先されます。
他にも、建物の高さや形に影響する「日影規制」があります。これは、近隣の日影になるような建物を制限し、日照を確保するために設けられた規制で、用途地域や建物の高さなどの条件次第で規制を受けます。どちらかというと、北側斜線制限よりも「日影規制」のほうが厳しく、場合によってはプランに影響する可能性があります。
3階建てに限らず、家を建てる際は必ず法律の規制を受けることになります。
土地探しから自分たちで行うという場合は、どんな家を建てることが可能な土地なのかしっかりと確認してください。
地元をよく知る工務店に土地探しから依頼をすると、希望プランにあった土地を探してもらうことができますので
相談してみましょう。