木造住宅と火災について
11月も後半になり、寒さが日増しに強くなってきました。
最近ではあまり聞かなくなりましたが、昔は寒い季節になると「火の用心」の掛け声とともに、拍子木を打ちながら夜番が火災や盗難の警戒を促してくれていました。
今回は空気が乾燥する時期を迎える前に、木造住宅の火災に関するお話をしようと思います。
ぬくもりやリラックス効果がある木造住宅は、増改築にも対応しやすく人気です。
ただ、大切な我が家が火事になったら・・・と考えると不安になってしまいますよね。
昔ながらの家は、木が燃えやすい状態のままで造られていました。
また、加工のしやすい木材は柱からはじまり、床、天井など、あらゆる部分で使用されており、火事になる不安も高かったのではないでしょうか。
木は燃えやすいイメージを持たれてる方が多いと思いますが、意外にもそんな事はありません。
何故かというと、柱や土台などを被う材料に、燃えにくい素材を使用することが義務付けられているからです。
また、太い木が簡単には燃えない理由をご存知でしょうか?
木の表面が焦げると炭化層という層ができます。
これが木の燃えにくい理由で、この炭化層が出来ると、熱が伝わりにくく、燃える時に必要な酸素さえも遮断してしまうからです。
ある程度厚みがある木だと燃え進む速さは「0.6 mm/min」になり、これは30分間火にさらされても、表面から2センチ弱の焦げで、内側のほとんどの部分は残る速度です。
木と鉄の面白い実験がありました。
木と鉄に荷重をかけながら10分間燃やすと、鉄は20%程度の強度しか残らないのですが、木は10分経っても80%の強度を保つ事が出来ます。
そのため、火事の際にも家屋の倒壊を防ぎ、被害が出てしまう前に避難出来るなど、多くの利点があります。
このことから家が崩れる前に避難出来る可能性が格段にアップするようです。
現在の木造住宅は火災に強いと書いてきましたが、火災を起こさない事がとても重要です。
火の用心の声が聞こえなくても、大切な我が家を守るために日頃から意識を向けて気をつけましょう。
火災ゼロを一緒に目指していきませんか。